『ハローワークでブラック企業の「求人お断り」検討』についての考察

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

TBS系(JNN)が2015年1月6日(火)に報じたニュースによると、過酷な労働を強いたり、残業代の不払いなどを繰り返したりする「ブラック企業」の『新卒』の求人については、内容にかかわらず受理しない新たな制度を厚生労働省が作ることを検討しているそうです。
ブラック企業の求人がなくなることは、求職者にとって朗報と感じるニュースに思えます。しかしながら、

  1. この制度の対象が、何故、『新卒』に限ったことなのか
  2. ブラック企業の定義すら曖昧な中、対象企業の基準を明確化できるのか
  3. そもそもこの制度自体が『何の目的』で制定されるのか
  4. 「過酷な労働を強いたり」という表現があるが、人命を扱う医療・介護業界、土日祝祭日関係なしのサービス業等、過酷な労働に成らざるを得ない業界が慢性的な人出不足に陥りやすいため、こういった業界の扱いをどうするか
  5. 「残業代ゼロ法案」の検討がされる中、残業代の不払いなどを繰り返したりする企業=ブラック企業の定義に矛盾が生じる可能性がないか

等、こういったことが不明確なままで、果たして国民が納得のいく法案の検討がなされるかに注目をしなければならないかと思います。
1~5までは、すぐに思い付く問題点を挙げさせて頂きましたが、そもそも、こうした対策をしたからと言って、世の中全体のブラック企業がなくなる訳ではなく、単純に、『ハローワーク』からは『新卒』を対象としたブラック求人がなくなりますといったPR材料になるだけで、社会に対して大きなメリットを生むかどうかの観点から考えたら、効果が期待できないと思います。そうであるならば、まず最初に労働環境の改善に予算を充てて、取り組むべき課題があるのではないかと思います。
例えば、現在、多くの職場で常態化していると思われる事柄として、

  1. サービス残業が当たり前
  2. 有給未消化のまま次の有給が発生
  3. 特別休暇(夏・冬)の制度がない・祝祭日が関係ない

といったような労働環境を考えてみます。
これらに対して、

  1. サービス残業を無くす対策として、残業状況について定期的な監査を行う。その際に、誤魔化しが効かないように抜き打ちで行う。人員を割く予算がないというのなら、それを考えるところから始める(民間企業ならないなら考えて対策を立てることは当たり前)
  2. 有給は全職員が一律全て消化できるようにする。祝祭日に休みが取れない業種であれば、交代で順次有給休暇を取らせる。それが出来るように、人員を充足させなければならない。それができないのであれば、残った有給を割り増しで雇用主が買い取る
  3. 2の解決策同様に、交代で休みを取らせる。国が定めた休日という祝日たる目的が果たされる制度を設ける。それができないのであれば、割り増しで休暇を雇用主が買い取る

のような対策を行って、労働環境を整えたらよいのではないかと思います。こういった規律を厳しい目線で定めて、全体がそれを遵守することによって、ブラック企業が自然淘汰される社会に変わることが望ましいと個人的には思います。
とはいえ、雇用に予算を充てられる企業が少なくないことから、無料で求人を掲載できるハローワークを利用する企業が多いこともまた事実です。こういったことを踏まえ、企業の経営状況を勘案して、労働環境に対して一定の基準を高いレベルで満たしている企業に対して国・地方公共団体が雇用を安定させるための補助金を出す制度を設けたらよいのではないかと思います。
こういった対策はあくまでも絵に描いた餅ではありますが、失業者、生活保護者が溢れる状態で、その人達に無償で補助金を支給するのであれば、その人達をどこかの企業に雇用させて、その企業に対して補助金という形で失業手当・生活保護を支給して、支給対象者に給料として還元させる制度にその根本を変えてしまえば、生産性がないところに支払う資本が生産性を生む場所に投下されるようになり、社会にとって大きなプラスになると考えます。
現状において、厚生労働省は、「労働条件の確保・改善対策」を重点施策として挙げていますが、労働法令を遵守しない企業に対する監督指導の強化が目的なだけであって、法的に強制力を持たない以上、永遠と解決がなされないままの問題になるようにも思います。規律を設けた上で、それでも遵守できない企業があればその企業を倒産させて、内部留保等があればそれを徴収し、真っ当な企業へ補助金として資源の再配分をする、もしくは、経営陣を入れ替えて、真っ当な企業へ方向転換させるといった方が効率的にも思えます。
いずれにしても、今の労働環境のままハローワークの求人から新卒向けブラック企業の求人を省いたとしても、残った求人票に対する競争率が増えるだけで、メリットが少ないものと思う次第です。労働環境がすぐすぐ整備できないのであれば、少なくとも、ハローワークで求人を蹴られた企業は、国内全ての人材紹介会社からの求人にも、その悪質の度合い応じた制限を国や自治体からかけるように働きかけるべきだと思います。
新たな法律・法案が整備されたとしても、その抜け穴を探して悪質な活動を行おうとする企業も少なくないかと思います。こういったことにも対応できるような法案になることを願ってやみません。
本日のニュースには、色々なご意見・ご感想があるかと思いますが、ブログの記事につきましては、あくまでも個人的なただの戯言、単なる一意見ですので、そのように捉えて頂けましたら幸いです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

コメントを残す

*